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2021.03.12

フルフィルメント

ネットショップのフルフィルメントとは?基本や成功ポイントを紹介

ネットショップのフルフィルメントとは?基本や成功ポイントを紹介

ネットショップ、ECサイトの運営をすると、フルフィルメント(Fulfillment)という言葉を聞くかとおもいます。

フルフィルメントとはネットショップ、通販で注文を受けてからお客様に商品が届くまでの業務全般を指します。

フルフィルメントを効率化することで、ネットショップ運営の労働生産性の向上、コスト削減や売上の拡大のみならず、顧客満足度の向上につながります。

今回は「売上拡大の攻め」と「コスト削減の守り」の視点でフルフィルメントについて基礎から、フルフィルメント代行サービスの事例についても紹介します。

フルフィルメントとは?

フルフィルメントとは、ネットショップを運営する際にはかかせない注文受付から配送業務までの必要な業務全般のことを指します。

具体的に、受注、梱包、発送、仕入れ、納品、検品、在庫管理、コールセンター、入金管理、返金処理などの業務に分類されます。

フルフィルメントには攻めと守りの両面がある

これまで、フルフィルメントは自動化によるコスト削減や業務効率化の「守り」が重視されていましたが、現在では「守り」だけではなく、売上や利益を拡大するための「攻め」の側面もネットショップの差別化に必要とされています。

・商品を傷つけず、待たせることなく消費者へ届ける配送の安心感とスピード感
・「初めて買ってくれてありがとう」の心のこもった手紙や、季節にあわせた「こんな商品もいかがでしょう?効果的な使い方は?」という顧客特性にあわせた商品紹介などの同梱物

こういった商品が手に届くまでの取り組みが信頼につながり、売上につながっていきます。

また、コールセンターでの返品対応やクレーム対応などでは、顧客満足度や顧客からの信頼や「ここイイな!」というポジティブな印象を残すことで、離反ではなくリピーターやクロスセルにつながることがあります。

このような、「攻め」のフルフィルメントが必要となります。 計画的にネットショップに合った適切なシステムやサービスを導入しましょう。

3PLとの違い

3PL(3rd Party Lpgistics:サードパーティー・ロジスティクス)とは、企業が行っている「物流業務」のアウトソーシングすることです。

在庫管理は、「商品を販売出来る量がどれだけあるか」という売上と、「どれだけ仕入れるのか」というコスト管理が連動する業務のため、在庫管理は企業を支える重要な土台ともいえます。

そのため、3PLを検討すべき業者は、コストを考えるとすべて代行は難しいといった場合やメインが無形サービスの提供で、グッズ販売がサブ事業としてある場合などは、物流業務だけ委託するといいでしょう。

たとえば、商品がなければ行えないサービスであれば、サービス運営は自社で行い物流を委託することで、事業者はサービスに特化できます。

一部をプロに任せることで品質向上やスムーズな納品が行えるので安心して業務が行えるでしょう。

フルフィルメントの業務一覧

決済

ネットショップの決済手段の種類は、クレジットカード決済・コンビニ決済・キャリア決済・ID決済・後払い決済・銀行振込決済などがあり、決済手段の多様化は必要です。ユーザーが望む決済手段がなければ、カートから離脱してしまうので決済手段の導入は重要です。

導入するためには、導入したい決済会社へ連絡をして、契約から審査を受ける「直接契約」と、決済代行会社を利用して複数の決済会社との審査、契約をまとめて依頼する「代行会社経由契約」があり、効率的に複数の決済サービスを契約できる「代行会社経由経由」がおすすめです。

決済代行サービスとカートシステムは密接に関係しているため、非常に重要となります。導入する決済手段とカートシステムが対応しているかの確認や、決済手数料(料率)をチェック・比較して決済代行サービスとカートシステムを選定しましょう。

物流

商品が消費者へ届くまでの「モノの流れ」を指します。
「モノの流れ」の中には、輸送、保管、荷役、包装、流通加工、情報処理といった6つの機能が含まれています。

商品の配送に時間がかかり過ぎていると、ユーザーが離れていきます。
ネットショップのトラブルアンケート調査によると、「商品の破損」「サイズや見た目が違った」の次に回答が多かったのが、「商品が届くまで時間がかかった」というトラブルが全体の13%でした。

こういった配送時の問題解決は、出荷の頻度、土日出荷の対応、温度管理が必要な商品への対応、製造から出荷拠点への連動などが重要です。

近年はAmazonや楽天市場の「翌日配送サービス」などが増え、ユーザーが期待する配送期間は以前よりも短くなっていると言えます。 スムーズに行えるよう条件に合った物流会社、物流システムを導入することをおすすめします。

在庫管理

在庫管理は、「商品を販売出来る量がどれだけあるか」という売上と、「どれだけ仕入れるのか」というコスト管理が連動する業務のため、在庫管理は企業を支える重要な土台ともいえます。

ECサイトでは商品販売数と在庫が合わなければなりません。
在庫管理がECサイトに行き届いていなければ、売上の減少です。 在庫切れにも関わらず商品の購入ができてしまってはクレームにつながります。

しっかりと入荷、入庫、出庫、出荷を把握し、在庫切れなどが発生している場合には、ECサイト上で「在庫切れ」や「入荷待ち」などと表示することでユーザーからの不用意なクレームが増えることが低くなります。

在庫管理を計画的に行い、在庫不足、作業ミス、余剰在庫を防ぎ、顧客の信頼だけでなく、業務の効率化につなげていきましょう。

コールセンター

知識や適切な対応が必要となり、スムーズな対応が求められるコールセンターはコンタクトセンターとも呼ばれ、お客様窓口となりクレームや返品での電話対応、またメールなどの対応をしています。近年では、チャットやチャットボットを活用した対応が増加しています。

また、電話を受けた担当によって対応が違うなどのサービスレベルが変わるなどのある場合はユーザーの不満を生む原因にも繋がります。コールセンターシステムや顧客対応履歴の機能を持つカートシステムなどを活用し、情報の一元管理することががポイントです。

コスト削減!守りのフルフィルメント

フルフィルメントはネットショップ運営の多岐に渡ります。効率的な運用を実現することで、コスト削減を実現できます。ここでは、守りの観点から必要なポイントを紹介します。

発送や返品にかかる費用の最適化

コスト削減にするためには、さまざまなルールを設定しておくといいでしょう。

ルールを設定することで、対応がスムーズに行えることや無駄なコストがかからないといったメリットにつながります。

発送のルール設定

商品のサイズ感が小さいのにダンボールが大きくては発送時に料金がかかり、逆に商品感が大きいのにダンボールが小さくては破損の恐れがありクレームにつながります。

商品によっては大きさが異なるので、梱包するサイズを事前に設定し梱包をすることが重要です。ある程度大きさが把握できていれば、無駄なコストをかけずに発送ができるからです。

発送時の無駄なコストをかけないためにも、単品、セット、おまとめなどの梱包サイズのルール設定があるとスムーズに梱包も行えます。 また、ユーザーが開封しやすく、商品が取り出しやすいといった気配りは自社の信頼につながり継続して利用していただけるでしょう。

返品にかかる費用のルール設定

返品の理由はさまざまです。
返品のルール設定を行うことで、返品にかかる費用をどこが負担するか、を明確にしておくといいでしょう。

決済終了後に破損やキャンセルがあればユーザーに金額を返すことです。 しかし、商品を受け取れなかった、受け取らなかった場合は物流倉庫に戻ります。

その際の配送料金は、割引はなく通常料金を事業者が負担となります。
こういったコストがかからないためにも、発送時には必ず発送完了の連絡を行い、追跡機能を付けることでどこに商品があるのかを事業者、ユーザーが確認できるといいでしょう。

その他にも化粧品などのトライアルセットであれば、ミニサイズを用意し低料金で発送することで、商品の料金設定や発送のコストが削減できます。

また、破損や中身の漏れなどおきないように、化粧品などの容器には蓋にシールを貼り、返品がおきた場合も未開封であることの確認ができるので、あらかじめ商品に対策をしておくと、破損を防ぎ、返品の対応もスムーズに行えます。

スムーズな顧客対応

顧顧客対応が遅れては、自社の信頼を損ないかねません。
受注対応からお問い合わせ対応、クレーム対応などさまざまな分野での対応をスムーズに行う必要があります。

フルフィルメントでは、決済、在庫管理、配送業者とも連携が取れているので、顧客対応後の処理をスムーズに行うことが可能です。
的確に顧客対応し、お客様の期待するサービスや、満足度の向上など、顧客対応の質を高めることが重要です。

売上拡大!攻めのフルフィルメント

守りの観点で語られるフルフィルメントですが、各業務を見直すことで売上や利益の拡大にも繋がります。ここでは、攻めの観点からフルフィルメントのポイントについて紹介をしていきます。

スムーズな購入から到着までの顧客体験で満足度向上

ネットショップのフルフィルメントにおいて「スムーズ」なことは、ユーザーの購入から到着までの顧客体験をより良いものとして、満足度向上をするために重要です。

買い物をスムーズに!

ネットショップでは商品が届くまで実物を触ることができません。
だからこそ、購入から到着までにユーザーのストレスや不安を和らげ、スムーズなお届けを実現することは顧客満足の向上に繋がります。その結果、商品のよさだけではなく、ネットショップ自体へのファンになって頂くことも可能となります。

利便性を上げるためには、
・頻繁な在庫切れを防ぐ、適切な在庫管理
・多様な決済方法を導入し、ユーザーが迷わずストレスなく購入出来る環境作り
・配送業者の幅を広げて、注文から最短でのお届けを実現
このように、ユーザーの利便性をあげることで、顧客満足度が向上し固定客やリピート顧客になる可能性をグッと押し上げることができます。

疑問/クレーム対応をスムーズに!ネガティブをポジティブに変えよう

クレームや質問、返品対応などユーザーの「ネガティブ」な感情がある問い合わせに対してスムーズに対応ができれば、ポジティブな感情をもっていただけます。

また、クレームは貴重な情報源ともなります。事業者側は商品やサービスの不具合を把握し改善、実績を積むことで成長へとつながるチャンスとなります。

ユーザーを第一に考え、買うとき、届くまで、困ったとき、のタイミングで「スムーズな環境」を整え満足度をあげましょう。

顧客別に情報管理をして、購入情報だけでなく問合せ内容管理も一元化することで、スムーズな対応が出来る環境を構築できるでしょう。

会話から生まれるアップセル・クロスセル

ネットショップはデジタルな世界ですが、デジタルだけでは完結しないものです。

コールセンターでのヒト対ヒトのコミュニケーションでアップセル・クロスセルが可能です。

「アップセル」とは、顧客単価を向上させるために購入した商品とは別により高額な商品に乗り換えてもらうことを指します。

「クロスセル」とは、商品の購入を検討している顧客に対して、商品のセットとの関連商品を勧めることを指します。前提として、購入したことのある顧客や商品を検討している顧客に対して行う手法です。

直接的に受注を受けるコールセンターでは話をするからこそ、顧客のニーズや気持ちの変化に気づきやすいものです。そのため、会話からアップセル・クロスセルが生まれます。会話から生まれたニーズやウォンツを拾い上げることで、ネット上のLP制作や広告クリエイティブに反映するなどのデジタルマーケティングにも活用しましょう。

フルフィルメントのカギはシステムとの連携

フルフィルメント業務とは何か?なぜ重要か?がわかったところで、実際にフルフィルメントサービスを提供している会社の例や特徴、そしてフルフィルメントサービスと連携する要になるカートサービスとの連携の重要性をみていきましょう。

フルフィルメントサービス提供会社の例

フルフィルメントサービスを提供している会社を例としていくつかご紹介します。

フルフィルメント by Amazon(FBA)
Amazonが提供しているフルフィルメントby Amazon(FBA)です。

商品の出品はAmazonのECサイト上で可能、Amazonの専用倉庫に商品を保管し、梱包から発送、返品処理やクレームなど一括で対応してくれます。 また、Amazon専用倉庫は24時間365日稼働しているため、いつ注文してもすぐに配送が可能なので、注文から出荷までが早く商品のお届けができます。

年末年始やゴールデンウイークなどの休暇でもFBAは稼働しているので、出品者が確認を行う必要がないので安心して販売ができます。

株式会社 千趣会
通販事業は60年と培ったノウハウをもっており、千趣会グループが保有する東西2拠点の自社倉庫を保有しているため、年間2,000万個の出荷を実現しています。 長年にわたり構築された運送会社、資材会社との協力体制により、信頼と品質管理が備わっています。

単品定期(リピート)通販を得意とし、出荷量が少ないスタートアップ期には固定費が少ないプランや、運用フローの見直しによるコストダウンの提案と、幅広いご要望に対応可能です。

スタークス株式会社
定期通販(リピート通販)を中心に、化粧品や健康食品など600社以上の導入実績があります。

ピッキングや検品など手作業やアナログ管理を独自のシステムで管理を行っているため、倉庫との電話やメール連絡が不要となりWEB上ですべての業務を実現し、出荷作業をわずか5分までに短縮することも可能です。

また、同梱物の設定までもがシステム化されているため、同梱物を倉庫に納品することで、回数ごとの同梱設定から、同梱物を入れる順番まで自由自在に設定することができます。

このように自社でも総合通販を運営していたり、自前の倉庫をもっている会社がノウハウや資産を活かしてフルフィルメントサービスの提供もしています。

また、定期通販を得意とするような「業務特化型」のような事業者もあるので、選定の際は自社の事業内容や成長度に合わせて選択をしましょう!

カートシステムとの連携は必須

フルフィルメント業務は顧客が購入して手元に届くまでの業務です。つまり、その間に発生する情報はリレーのようにバトンでつないでいかなければなりません。

そして、「購入顧客」を中心にして、一気通貫して一元管理できることが、顧客満足と効率化、つまり売れるネットショップの実現に近づきます。

ネットショップで物流、在庫管理、コールセンター、決済を個々で決めるのは時間とコストがかかります。
このようなフルフィルメントサービスとそれぞれと効率的で効果的なサービス選択と連携をするのであれば、カートシステムの選定が最も重要です。 カートシステムは扇の要のような役割になるので、カートシステムを軸にしてフルフィルメントサービス選択しましょう。

カートシステム(業者)は、ネットショップ事業者にあった的確なサービスをご提案するので無駄なコストがかからず、導入後も充実したサポートが受けられるでしょう。

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