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2020.11.11

市場/トレンド

準備は万端に!やることいろいろネットショップの開業方法まとめ

準備は万端に!やることいろいろネットショップの開業方法まとめ

ネットショップは簡単に開業できそうなイメージもありますが(もちろん以前に比べれば手続きは簡単になってきていますが)、必要な準備を怠っていると開業が差し止められてしまう可能性もあります。

ここでは、ネットショップの開業を考えている人を対象に、ネットショップの開業方法について解説します。開業前にやっておくべきこととして、ネットショップのサイト構築に関わる準備と、さまざまな法的基準を満たすための注意点を具体的に確認していきます。


ネットショップ開業までの流れ

ネットショップに限らず、事業を始める前には準備が必要です。 成功するためには準備が8割という意見もあります。

ここでネットショップ開業前の手順を追いながら、準備のポイントについてノウハウも含めて確認してみましょう。

開業までにやることは以下です。
①売るものを決め、届出が必要な商材かを確認する
②パソコンや必要な備品の準備と、インターネット環境を整備する
③商品を仕入れる・作る
④ネットショップの開店場所を確保する
⑤店舗を作る(サイトの制作)

例えば、個人で開業するとなれば、開業届(正式には「個人事業の開業・廃業等届書」)が必要ですし、売りたいものが中古品なら古物商許可という届出が必要です。

また、販売するものによって、ネットの中でもどこで商品を売るのかやどのようなツールを選定するのかが変わってきます。販促ツールの活用によって、日々の運用が効率的になり、売上アップに大きく繋がることがあります。

ショップを開店するという場合は、Amazonや楽天のようなショッピングモールに開店するのか、BASE、minneのようなハンドメイド商品出品が得意なシステムやモールを使うのか、リピート通販専用機能が充実したASPツールを利用するのかなど様々なサービスを検討する必要があるでしょう。

さらに、商品を魅力的に見せ、商品が売れやすいサイトを構築しなくてはなりません。

同時並行して進めることもありますが、以上のようなフェーズで分けて、計画と準備をしっかりとして売れるネットショップを作っていきましょう!

ネットショップの開業方法 1.各種届け出

ネットショップの開業方法1.各種届け出

当たり前ですが、売るものがなければネットショップは始められません。

ただ、なんでも自由に販売していいのかというと、そういうわけではありません。実際に商品を販売をするには、法的に守るべきこと・申請すべきことがあるので注意しましょう。

ネットショップを個人事業主として行うのであれば、業態にかかわらず、開業届と青色申告の申請が必要です。青色申告は確定申告の制度の一つで、青色申告特別控除額が最高65万円となります。

扱う商品によっては、管轄する官庁に届け出が必要な場合があります。
食品を扱うショップなら食品衛生法に基づく営業許可を取っておきます。申請は管轄地域の保健所です。
中古品なら古物商許可が必須になります。申請は、営業所所在地を管轄する警察署の防犯担当窓口です。
医薬品なら薬局開設許可や医療品販売許可などが必要です。たとえば、医薬品のネット販売に関しては、「医薬品店舗販売業許可」を取得している業者に対して「郵便等販売」という形で許可が降ります。このため、店舗の設置が不可欠になる点に注意が必要です。

自分が開業する業態に必要な届け出については、しっかり把握しておきましょう。また、公的な機関への届け出には、許可が降りるまでに時間がかかるものがあります。開業までに間に合うようにスケジュールの調整も必要になるため、注意しましょう。

ネットショップの開業方法 2. 環境の準備

ネットショップの開業方法2. 環境の準備

まず1つ目は、パソコンです。
サイト構築や運営のための事務処理など、ネットショップに関するほぼ全ての業務に必要なものです。OSはWindowsでもMacでも構いませんので、使い慣れた方を選びましょう。商品画像の加工なども行うことを想定するとCPUは2.0GHz以上、メモリは8G以上のスペックをお勧めします。利用するツールやアプリケーションについてある程度候補が絞れたら、推奨動作環境を確認しましょう。
また、故障したときのことを考えて、複数台用意しておいたほうが良いでしょう。 予算的に難しければ、業務継続性を考えて故障時に作業が継続できる環境を決めておきます。レンタルショップや漫画喫茶など、パソコンが使えるかどうかを調べておきましょう。

2つ目は、インターネット環境とメールアドレスです。
通常は自宅などをオフィスとしているなら光回線をメインにして、たまに外出先で短時間利用するならスマホのテザリングを利用する、あるいは外出先利用頻度が増えたらモバイル回線を契約する、など環境に合わせて徐々に契約を見直していきましょう。
パソコン同様に、可能であれば2つ以上の方法でネットに接続できるルートを確保しておきましょう。

次にメールアドレスです。
Webサービスやツールへの登録にはほぼメールアドレスが必要になるため、メールアドレスを準備しましょう。
インターネットの契約時にプロバイダからメールアドレスとパソコンにインストールされているメールソフトを使うのも良いですが、オススメはGoogleが提供しているGmailのようなクラウドサービスを利用することです。
PCやスマホなど端末によらずいつでもどこでもログインすれば確認ができること、ソーシャルログインが使えるWebツールも多いことが便利です。無料で使えるプランが多いため、”仕事用のメールアドレス” を新たに作成するのが良いでしょう。

3つ目は、プリンタです。
納品書や請求書などをプリントするために必須になります。故障したときには、コンビニエンスストアのネットプリントサービスなども利用しましょう。
コンビニエンスストアのプリントサービスは、日頃から使い慣れておくと、出先での出力などにもすぐに対応できるのでおすすめです。

4つ目は、撮影機材です。
リアル店舗と違い、ネットショップは商品を手に取れないため、写真のクオリティにはこだわる必要があります。スマートフォンのカメラ機能ではなく、一眼レフのデジタルカメラを準備しましょう。また合わせて撮影用照明器具や撮影ブースなども使ったほうが素敵な写真が撮れます。簡易的なものでも商品撮影用の撮影キットが多く売られているのでチェックしてみましょう。

5つ目は、梱包資材です。
商品の配送に使います。なお、ECサイトサービスを利用すると梱包資材をつけてくれるケースもあります。

ネットショップの開業方法 3. 商品を仕入れる・作る

ネットショップの開業方法3.ecサイト製作

最後に、ネットショップの一番重要な商品についてです。商品は仕入れるか作るかの2つの方法があります。

3-1. 商品を仕入れる

これで分かる!ネットショップの仕入れ方法6選でもご説明したように、仕入れサイトを利用する、問屋から仕入れる、メーカーから直接仕入れる、海外から輸入する、展示会を利用するといった方法があります。
自分にあった仕入れ方法を見つける、組み合わせるなどして売れる商品を安定して仕入れましょう。

3-2. 商品を作る

商品を作る場合、ハンドメイドで作るか工場で作るかに大きく分けられます。 ハンドメイドであれば、商用利用するため法に触れることがないかを確認しましょう。著作権侵害や商標登録されているものを商用に使ってしまう、食品であれば保健所の許可を得ているかなどがあります。

工場で作る、つまり他の人に依頼して作ってもらうのであれば、工場開拓をする、オリジナルグッズ制作のサイトを利用する、商品企画をしてOEM(他社に自社ブランドの商品を製造してもらうこと)で作ってもらうなどの方法があります。

商品開発と製造にお金がかかる場合はクラウドファンディングを利用して、テストマーケティングを兼ねた商品販売をすることも検討しましょう。

ネットショップの開業方法 4. 開店場所を決める

ネットショップの開業方法 4. 開店場所を決める<

公的な届出と並行してパソコンの作業環境が整ったらついにショップ作りです。 実際の店舗作りと同様に「どんな外観、内装にしようか?」 とデザインに目が向いてしまいますが、まずは「どこにお店を出すか?」という場所選びが非常に重要になります。ここではネットショップの開店場所について説明します。

ネットショップの開店場所は、
①何を売るか?
②モールか独自サイトか
の2点を考えることで、開店場所に合わせてネットショップ制作のための使うべきシステムやツールもある程度絞ることができます。

4-1. 何を売るか

何を売るかで通販のスタイルが分かれます。以下に例を挙げます。

●総合通販
カップやお皿、タオルなど、多種多様な商品カテゴリーの北欧雑貨を売りたい

●リピート通販
2ヶ月に1回定期的に買ってもらえるような、季節に合った日本酒おまかせ5本詰め合わせを売りたい

●ハンドメイド通販
自分で作ったアクセサリーを売りたい

●越境通販(越境EC)
日本で売れている雑貨や商品を海外で売りたい

●クラウドファンディング
仕入れではなく商品開発をしているところで、資金も必要。資金調達とテストマーケティングを兼ねた販売をしたい。

4-2. どこにネットショップを作るか?

出店する場所は大きく分けるとモール型と自社サイト型の2タイプがあります。

●モール型
複数のネットショップが集めたネット上のモールに出店することで、有名なモールはAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどがあります。

●自社サイト型
基本的には独自ドメインを取得してネットショップを運営することです。
ユニクロやナイキのように実店舗を持ち、多くの商品点数を扱うショップもありますし、DR.VAPE(ドクターベイプ:drvape.jp)のように”「ニコチン0」「タール0」「タバコの臭い0」の新世代の電子タバコ”を販売するといった専門商品に特化したサイトもあります。商品点数が多いから自社サイトの開設が望ましいというわけではありません。

4-3. 選択例

●総合通販×モール
類似商品がたくさんあるが、価格勝負で負けないという商品の特徴があれば、Amazonや楽天市場のような総合モールへの出店を検討しましょう。独自の商品なので価格勝負をする必要がないという場合も売れやすいです。

●総合通販×自社サイト
「実店舗があり、すでに顧客がいる」「ある程度の独自ブランド(お店の名前)をしっかりと売り出していきたい」「自分でちょっとずつお店を育てていきたい」という場合は、商品点数の取扱数や種類の総合通販を自社サイトで行いましょう。

●ハンドメイド通販×モール
「趣味を兼ねてちょっとずつハンドメイドのものを売っていきたい」「システムとかツールには疎いから楽をしたい」──そんな方は、minneなどのハンドメイドに強い通販モールを検討しましょう。サイト制作が簡単にできます。

●リピート通販×自社サイト
独自商品で定期通販での販売をする場合は、自社サイトを開設し、かつリピート通販に特化した機能を持ったカートシステムを導入することを検討しましょう。

ネットショップの開業方法 5. ECサイト制作

ネットショップの開業方法 5. ECサイト制作

ネットショップの顔であるECサイトの構築は、モール型出店と自社サイト出店で異なります。モール型出店であればモールの規定に則り、モールで提供されているツールを使ってサイト制作を進めていくことになります。
ここでは、自社サイト出店での制作について説明します。

5-1. サーバー選び

ECサイト(ホームページ)構築にはドメインとサーバーが必要です。 これらの関係を家に例えると

家(建物):ECサイト(ホームページ)
住所:ドメイン
土地:サーバー

の関係です。
自社サイト構築では、このサーバーを商用目的で利用できるレンタルサーバーの選択が重要になります。

料金の安いサーバーは商用利用が制限されていることもあるので、この点は契約前にしっかり確認しておきましょう。レンタルサーバーには大きく分けて、「専用サーバー」と「共用サーバー」の2種類があります。

専用サーバーは、自由度が高くカスタマイズしやすい反面、メンテナンスも自分で行う必要があります。サーバーの管理には専門的な技能が必要なので、初心者には手に負えません。専用サーバーは、ネットワークエンジニアを雇える余裕がある規模の大きな会社向きです。

一方共用サーバーは、低価格で借りられるため、開業したばかりの中小規模の会社でも負担が少なくて済みます。また、サーバーに関する知識がそこまでなくても、サポートが受けられるため安心です。
ただし、同じサーバーにデータをおいている他社サイトでアクセスが急激に増えてくると、サーバーがダウンして自社のサイトへのアクセスもできなくなるリスクはあります。

一般的には、小規模店舗なら共用サーバー、大規模店舗なら専用サーバーがおすすめといえるでしょう。

5-2. カートシステム選び

サーバーの選択と同様にカートシステム選びも重要です。
ECサイトの円滑な運用には、商品管理、サイト管理、顧客管理、売上管理の4つの機能が求められます。カートシステムはこれらの機能を持ったツールで、ユーザーには商品の買いやすさ、運営する側には管理のしやすさを提供するものです。

多くの会社がサービス提供していて、総合通販向けやリピート通販に特化したシステムなど通販のスタイルにあったカートを選べます。また、システムを既製品から選ぶのではなくカートシステム自体をゼロから独自開発する(スクラッチ)ことも可能です。

カートシステムは下記のように分類できます。
●ASPカート
●クラウド
●パッケージ
 オンプレミス型:パッケージを購入する。
オープンソース型 ※パッケージかつオープンソースの代表例:EC-CUBE
●スクラッチ

5-3. サイト設計とデザイン設計

サイト制作は、通常サイトマップ、ワイヤーフレーム、UX設計、デザインをして...と多くのステップを踏む必要があります。
しかし、ネットショップのサイト制作可能なシステムを使うと、こういった工程がテンプレート化されていて簡単に作ることができます。

サイト設計やデザインを経験したことがなく、外部に委託することもできない場合は、このようなサイト構築のCMS(デジタルコンテンツの管理システム)、デザインテンプレートがあるツールを利用すると良いでしょう。

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