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2021.01.26

決済方法

ネットショップでオンライン決済サービスを導入するメリット・デメリット

オンライン決済で実現する成功するネットショップ

通販事業とりわけネットショップを運営する際に、重要な要素といえるのが「決済方法」です。

なかでもオンライン決済サービス導入は必須と言えますが、その種類は多岐に渡り、どの決済方法を導入するかで売り上げにも影響を与えます。

ネットショップを運営するときにどのようなオンライン決済を導入すれば売上げが上がるのか?オンライン決済方法の種類やそれぞれのメリットやデメリット、オンライン決済サービス導入の流れについても紹介します。


オンライン決済とは?

オンライン決済とは?

ECなどに導入されている「オンライン決済」とは、主にインターネット上で決済処理が行われることを指します。

オンライン決済には、購入時に与信調査などの決済処理をオンライン上で実施し、支払いはコンビニなどで現金を利用して支払う手段も含まれる場合もあります。
一昔前まで、通販は代金引換や銀行振込が主な決済手段でしたが、ここ数年でオンライン決済手段は増えています。

さらに、政府のキャッシュレス推進政策によるリアル店舗でのキャッシュレス化で拍車がかかっていると言えます。
デジタルネイティブが増え、キャッシュレス決済に慣れてきたこともあり、今後もますます利用者が増加すると考えられています。

ネットショップで人気の決済手段

経済産業省の調査によるネットショップにて購入する際に決済方法の中で、最も利用される決済手段はクレジットカードです。

ネットショップで人気の決済手段

 

ククレジットカード支払いを利用して購入すると回答したユーザーは66.1%にも上り、オンライン決済がECの一般的な決済手段となっていることも表しています。
オンライン決済は支払いのスムーズさの点で共通してメリットがあります。 ここでは代表的なオンライン決済サービスをご紹介します。

クレジットカード決済

クレジットカード決済のメリットは「保有率の高さ」にあります。

保有率は2018年で84%と言われており、年代と問わず多くのユーザーに利用されています。
クレジットカードは即時決済されるため、代金回収が出来ないといったことは少ない決済手段です。
一方で、ネットショップ運営者はチャージバックに注意しましょう。 チャージバックとはクレジットカード保有者であるユーザーが、不正利用や身に覚えのない支払いとして、支払いに同意しない場合、クレジットカード会社から販売元(ネットショップ)に対して支払いの取り消し、または利用代金の返金を要求することです。
チャージバックが発生した場合、売上がゼロになるだけでなく、クレジットカード保有者には商品も届いていないため、商品が販売者に戻ることがなく損失となります。

コンビニ決済

コンビニ決済とは、購入した代金を全国のコンビニ(コンビニエンスストア)で支払う決済手段です。
コンビニは全国に店舗を持っているため、クレジットを保有していないユーザーでも気軽に利用することが出来ます。
しかし、コンビニまで出向く必要があるので不便と感じるユーザーもいるでしょう。
コンビニ決済と一概に言えど、EC事業者がユーザーへ払込票を送付し、それを利用して支払いを行う「払込票タイプ」。
購入後に、番号を表示され、それを利用して支払う「払込用発番タイプ」の2種類があります。また、後払い以外にも前払いもあるので、自社にあったコンビニ決済を利用しましょう。

キャリア決済

キャリア決済とは、ネットショップで購入した商品を携帯料金とまとめて支払うことができる決済手段です。
docomoは「d払い/ドコモ払い」、auは「auかんたん決済」、SoftBankは「ソフトバンクまとめて支払い」などの名称でサービスが提供されています。
クレジットカードのようにカード番号等の入力の必要がなく、本人認証で決済を進めることができます。また、クレジットを保有していない若年層のユーザーにとってもメリットとなります。
しかし、利用限度額が月額最大数万〜10万円程度に設定されているため、商品単価の高いネットショップを運営するEC事業者にとっては、導入すべきか検討する必要があります。

ID決済

ID決済とは、Amazonや楽天などのアカウントIDに登録している会員情報を元に、自社のネットショップで購入することができる決済手段です。
有名なのがAmazon Pay(アマゾンペイ)や楽天Pay(楽天ペイ)などがあり、近年非常に利用が伸びているオンライン決済手段です。
ID決済では、新たにクレジットカード情報を入力せず、すでに利用しているサービスのログインで購入することができます。
そのためカゴ落ちの主要な要因となる個人情報の入力の面倒を取り除き、また初めて買い物するネットショップへの不安感の払拭するなどの効果で、売上を伸ばすことが期待できます。また、不正対策へも力をいれているため、EC事業者にとってもメリットがあります。

※Amazon Payをもっと詳しく知るには

参考記事:今さら聞けない!Amazon Pay(旧Amazonペイメント)の特徴と導入方法

後払い決済

後払い決済とは、ネットショップで購入した商品が届いた後に、支払いを行う決済手段です。
購入したユーザーに商品が到着後、請求書が送られたタイミングで購入者が支払手続きに進みます。後払い決済の利用には審査がありますが、配偶者にのみ収入のある主婦層なども利用することができます。
ユーザー視点では、購入した商品の状態を確認したのちに支払いを行える安心感はありますが、不払いの可能性もあります。

その他の決済手段についてもご紹介します。

銀行振込決済

銀行振込決済とは、ユーザーが商品を注文した後、銀行口座や銀行のATMなどを利用して指定された口座に料金を払う決済手段です。
クレジットカードを保有していないユーザーにとっても利用しやすいです。
また、いまでは利用可能な加盟店と提携していれば、オンラインでの銀行振込決済ができるようになっています。銀行やATMに行かなくてもスマートフォンまたはパソコンなどをから決済をすることも可能になりました。
その他にも、銀行口座が必要とする指定した口座から自動的に引き落とされる口座振替があります。
サブスクリプションサービスなどの定額制、化粧品、食品などの定期購入サービスなど毎月支払い続ける必要のある際には、自動的に引き落とされるため支払い忘れの心配がない、便利な決済手段となります。
EC事業者にとっても、月ずれをおこさず入金されるので安心して利用ができます

代金引換

代金引換とは、「代引き」ともいい、注文した商品と引き換えに配達員に料金を払う決済手段です。配達業者が代金を精算して、決済代行会社によって販売者(ネットショップ運営者)に振り込まれます。
配送業者によってはクレジットカード決済が可能です。また、代金引換は、商品の料金とは別に代引き手数料がかかります。
運送会社によって手数料は異なりますが、サービス利用料、配送業者に支払う手数料があるため、手数料(手数料率)やクレジットカード支払い可能な配送業者を選ぶといいでしょう。
料金の未回収リスクがなく、料金を支払ったが商品が届かないといったことも避けられるので、ネットショップと購入者どちらにも安心と利便性が高い決済手段といえます。

こういったオンライン決済方法は、中小企業や個人のサイトでも導入可能です。

どのようなショップでも、多様なオンライン決済手段を導入することで、ネットショップにとってはキャッシュフローの安定化ができたり、サイトの信頼感を高めることができます。
ユーザーにとってはユーザーが買い物をしやすいショップになります。

オンライン決済手段の多様化の一番のメリットは売上げアップにつながりやすいことでしょう。次に売上アップにつながる決済手段の導入を詳しく解説します。

決済手段で変わるネットショップの売上げ

決済手段で変わるネットショップの売上げ

ユーザーが利用する決済手段を選ぼう

『ネットショップで希望する支払い方法がない場合、「カゴ落ち」率が7割に』という調査結果もあるように、購入したユーザーがECサイト・通販を利用するときに、決済方法は重要なポイントとなります。クレジットカード決済のみ導入すればいい、コンビニ決済もあればいいか、など決済方法が少なくては、ユーザー側は支払うことができず離脱してしまいます。
たとえば、クレジットカードは個人情報の漏洩リスクを回避したい、コンビニ決済だと手間がかかるので避けたい、コンビニ、銀行が近くにないのでキャリア決済でまとめて払いたい、とユーザーにとって感じる安心性や手間は異なってきます。 ECサイトで取り扱う商材、ユーザーの年齢などから決済手段を選ぶといいでしょう。
オンライン決済を導入すると購入者のニーズに応えられ、ECの利便性が高まることで、売上の向上につなげられます。

購入までのスムーズさ

商品を注文する際に、住所、名前、電話番号など入力した次に決済の詳細、クレジットカード番号、名前、有効期限、セキュリティー番号を入力する必要があります。その他にも、会員登録をしないと購入できないといったECサイトもあります。
入力項目が多くては、ユーザー側も面倒になり離脱してしまいます。 購入まで簡単にスムーズに進むためにも、会員登録なしで購入できる設計、会員登録が必須であればそのメリットの訴求、入力フォームを1つにまとめる、またはAmazon Payなどの個人情報を新たに入力しなくても購入ができる決済サービスを導入する、といったスムーズに購入しやすい環境作りをしましょう。

定期通販とオンライン決済の相性はいい

定期通販(リピート通販)とは、特定商品を一定の周期で自宅に商品を届けるサービスです。
ユーザーは基本的には毎月支払う料金が変わらないため、オンライン決済であれば料金の支払いが便利になります。そのため、定期通販とオンライン決済の相性はいいとされていますし、どのようなオンライン決済手段を取り入れるか?で売上が左右されるので、事業立ち上げ時からでも、決済方法には注意をしてネットショップを構築しましょう。

ネットショップのオンライン決済導入で準備すべきこととは?

オンライン決済導入までの流れを紹介します。

ネットショップのオンライン決済導入で準備すべきこととは?

決済導入方法は「直接契約」と「代行会社経由契約」の大きく2つあります。

直接契約

導入したいオンライン決済会社へ個別に連絡をして、審査を受けて契約を結ぶ方式です。 クレジットカード決済などを導入した場合などに、実施できます。

決済手数料の交渉などが直接できるため、低い料率を実現できる可能性があります。しかし、小規模のEC事業者などでは契約内容や運用方法の管理が煩雑になる可能性があります。

代行会社経由契約

オンライン決済の代行会社(オンライン決済代行サービス)を通して契約をする方式です。決済代行会社1社と契約することで、各オンライン決済会社と包括的な契約をすることができます。

さらに、導入までの手順が決まっているためスムーズに進めることができ、一般的な契約方法になっています。

オンライン決済代行サービスの活用が断然ラク!

先に挙げたオンライン決済(クレジットカード決済、コンビニ決済、キャリア決済、ID決済、後払い決済)いずれも、代行会社経由での契約が可能です。
そして、オンライン決済代行会社経由の契約の方が断然ラクです。
有名なオンライン決済代行会社の例として
・SBペイメントサービス
・GMOペイメントゲートウェイ
・ゼウス決済サービス
・ヤマトクレジットファイナンス
など複数あります。

便利なオンライン決済代行サービスですが、注意点もあります。
決済代行会社を選ぶ前に、その決済代行サービスがカートシステムと連携できるか?を確認する必要があります。
カートシステムによって決済代行の利用できるサービスや手数料が違うこともあるため、手数料の確認は必須になります。

逆にいうと、カートシステムによって選択できる決済代行サービスが異なるため、カートシステムの選定が非常に重要になります。

オンライン決済導入時の注意点

オンライン決済を導入するうえで気を付けるべきことが、
・初期費用
・決済手数料(料率)
・入金サイクル
といった費用や経理関係のサービス内容はもちろんのこと、
・情報漏洩や不正利用対策のためのセキュリティ対策
・サービスや補償内容
のチェックは必須です。

カートシステムとオンライン決済の連携は確認必須

ネットショップを始めるにも、サイト構築から運営、顧客管理、決済、在庫管理、発送など工数がかかります。そんな中、一番最初にオンライン決済会社選定から始めるネットショップ運営者はほぼいないでしょう。
オンライン決済会社選定よりも、決済サービスと連携しているカートシステムから選ぶことをおすすめします。

カートシステムから選ぶ理由は
1. 導入までがスムーズ
2. 対応事例があるのでサポートが充実

の2つの利点があると考えています。

カートシステムはネットショップで利用される決済サービスに対応していることがほとんどです。主要な決済サービスはカートシステム連携が確認されているため、カートシステムと決済サービス連携を自社でエンジニアに開発を依頼するなどが不要なことはもちろん、これまでの導入対応件数が多いシステムほど慣れているため導入がスムーズです。

また、導入件数が多ければ対応事例も多く、カートシステムと決済システムで何か困ったときの対応も的確になり、充実したサポートを受けられることが多いでしょう。

※カートシステムとは?をもっと詳しく知るなら「業務のしやすさを左右する!カートシステムを選ぶポイントとは?」をチェック!

カートシステムによっては連携されていない決済サービスがあったり、決済手数料率も異なることがあるため、絶対に導入したい決済方法がある場合や、多く利用される決済サービスがわかっている場合は、サービス連携状況や手数料率はチェックポイントになります。

まずは自社サイトのターゲット層、年齢や性別から決済手段を考えることが重要になりますが、必要な決済手段を見極め、提携している適切なカートシステムを選びましょう。

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